## はじめに
技術の進展により、バーチャルリアリティ(VR)デバイスは様々な用途で活用されています。この記事では、注目のXRグラス「VITURE Pro XR」について、公式スペックの実現度と使用における課題を検証します。特に、パソコンの画面をマルチモニタとして利用する生産性向上の観点から、過去に試用したMeta Quest 2との比較も交えて考察します。
## 公式スペックと実現度

VITURE Pro XRは以下のスペックを持ちます:
- **軽量デザイン(78g)**: 長時間使用での疲労を軽減
- **高解像度ディスプレイ(フルHD/120Hz対応)**: 鮮明な映像を提供
- **度数調整機能(0.0D〜−5.0D)**: メガネなしでも使用可能
- **3DoF操作**: オプションのネックバンドと専用アプリ使用時のみ可能
- **中程度の視野角(FOV 46度)**: 3m先に135型相当の画面を表示
公式スペックは概ね実現されています。フルHDで120Hzに対応したディスプレイは、映画やゲームで鮮明な視覚体験を提供します。軽量設計により、長時間の使用でも快適です。ただし、視野角とヘッドトラッキングについては、実際の使用感と公式の説明に若干のギャップがあります。
## VRゴーグルの不満点を劇的に解消
### 快適な装着感とデザイン
とにかく軽い。長時間の使用でも快適さが保たれます。Meta Quest2のようなVRゴーグルと比較すると圧倒的に軽く、重さによってアタマが痛くなることがありません。
デザインも洗練されており、視覚的な美しさが特徴です。とはいえ、それなりの大きさがあるので、まだ外出先で装着していると、2度見されそうではあります。
### 高解像度ディスプレイと視覚品質
フルHDで120Hzディスプレイはピクセル密度が高く、映画鑑賞やゲームプレイでも快適です。
さらに度数調整機能が優秀です。わたしはかなり近眼の近眼ですが、標準的な調整機能だけで、メガネ無しでグラスが使えるのは素晴らしいです。家族や友だちに貸すときも、追加の部品が不要というのはとてもいい体験です。
### その他の改善点
バッテリが不要、も大きなアドバンテージです。バッテリ切れなどを一切考えず、ただスマホにケーブルをつなげば見られる、という気楽さはすごく良いです。
スピーカーの音もまあまあの品質で、これまた素朴にありがたいです。
## VITURE Pro XRの課題と限界

### 視野角が狭い……
スペックではFOV 46度となっています。46度という視野角は、一般的なVRヘッドセットと比べて狭いですし、人間の視野角約200度と比較するとかなり狭いです。
「135インチの大画面!」とうたわれていますが、これは「3m先に135インチ」です。体感だと、30cm先の20インチ前後、60cm先の32インチ前後、1m先の40インチ前後です。
ちなみにMeta Quest 2は約90度、Quest 3は約110度です。当然ではありますが、VRヘッドセットの没入感を期待すると、ずいぶん違いを感じてしまいます。
この視野角の狭さにより、VITURE Pro XRはエンターテインメント用途に限定されがちです。
### 外部モニターとしての使用は実質厳しい
VITURE Pro XRを外部モニターとして使用しようとすると、視野角の狭さが映像の見え方に影響を与えます。

理想的には上記のマーケティング画像なんですが、実際には正面のディスプレイが一枚見えているだけ。首を左右に振ると、他のディスプレイも見えますが、視野角が狭いので、ちょっとずれると上下が切れます。
しかも、マルチディスプレイにするには、専用アプリを起動する必要があり、以外に面倒くさいです。試してみるときは良いですが、日常的に使うのは正直ハードルが高いです。
### ではゲームモニターとして使えるか?
良い点を先にあげると、Switchのモニタとして使うとき、[2万円以上するモバイルドック](https://store.viture.jp/products/viture-pro-mobile-dock)を買う必要はありません。
[USB-C to XRグラス 充電アダプター](https://store.viture.jp/products/usb-c-to-glasses-and-charging-adapter) または [USB-C XR充電アダプターPro](https://store.viture.jp/products/usb-c-xr-charging-adapter) を買って、電源はSwitchドックに対応している、[15V出力できるACアダプタ](https://store.viture.jp/products/usb-c-xr-charging-adapter?%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC=%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF)で給電すれば良いです。
画面もきれいで、外出先で大きな画面を手軽に手に入れられるのはとてもよいです。
しかしながら問題は、視野角の狭さと3DoF非対応です。正直、画面はそんなにびっくりするほどは大きくはありません。また、アタマを動かすと画面も動くので、たとえば左下の字を読もうとすると、読みたい字が逃げていくことになります。アタマを止めて、眼球だけ動かす必要があるということです。わりとつらい。
### ユースケースを限定すれば使えるんじゃ?
#### スマホ映画鑑賞時の利用シーン
スマホにダウンロードした映画をVITURE Pro XRで視聴するのは手軽で良いです。新幹線や飛行機で、ケーブル一本で手軽に没入できるのは良いです。音は漏れるので、イヤフォンはあったほうがいいでしょう。
こういう使いかたの場合、バッテリ不要、のメリットも地味にありがたいです。
しかし、通勤電車ぐらいだと、まだ耳目を集めてしまう感じかと。また、アタマが動くと画面が動く問題もつきまといます。ファームウェアアップデートで、アプリ無しで3DoFが早く実現するといいんですけど。
#### 新幹線での覗き見防止機能の評価
新幹線や飛行機でパソコン作業をするとき、覗き見防止として、本体のディスプレイをオフにし、VITURE Pro XRを利用するケースも考えられます。
しかし、理屈上はそうなんですけど、実際的にそこまですることはなさそうです。
## よりみち:購入する場合の注意点
商品構成がややこしくて、買うときにすごく迷いました。細かい説明は抜きにして、何点かポイントを。
### まずはセットじゃなくて単品で良い
セットだからといって特に安くはない。本体を買えば基本的には試せる。必要なオプションパーツを買い足せば良いと思います。ただし、iPhoneやパソコンなど、メインで使いたいデバイスが対応しているかは要確認。
### ブラックがおすすめ
早く入手できるホワイトを買ってしまったが、白いケーブルが視野に映り込むので、あまりオススメできない。
### VITURE One XRを間違えて買わない
公式サイトで間違えることはないとおもうが、AmazonなどでOneもまだ売っているので、要注意。多少安いが、あえて買うほどでもないとおもう。
## VITURE Pro XRの総合評価
VRグラスに未来があるのはほぼ間違いないとおもいます。VITURE Pro XRが成し遂げた前進は素晴らしいと思います。しかしまだ少し早いようです。技術が追いつくのがたのしみになる製品ではありましたし、ユースケースがハマれば最高の体験になるとおもいます。
### メリットとデメリットの総括
VITURE Pro XRはうたい文句を概ね実現しています。高解像度ディスプレイや快適な装着感など多くのメリットがあります。特に映像品質と手軽さ、気軽さは素晴らしいものがあります。技術の進歩は確実だ、とうれしくなります。
しかし、視野角の狭さや3DoFが限定的などのデメリットも存在し、一般的なユーザーにとって、買ってサクッと快適に使えるほどの水準には、正直まだ達していません。
私のようにマルチモニタとして利用したい場合は、まだ技術的な進展が必要と感じます。
### おすすめユーザー
外出先(新幹線・飛行機・ホテル)で、そこそこ大きな画面で、スマホの映画を見たい人には、おすすめできます。
自宅でも、テレビを占有できなかったり、大きな音を出せないとき、手軽に迫力ある映像と音響を手に入れるには、いいデバイスかもしれません。
外出先(新幹線・飛行機・カフェ)で、パソコン操作が必要で、覗き見されると困る人にも、おすすめできそうです。
### 今後の期待と改善点
今後のアップデートで、アプリなし3DoFが実現することを期待しています。内蔵3DoF 対応(本体に3DoF機能を備えた唯一のXRグラス)がウリのひとつなので、早く実現してほしいです。
## リンク集
1. [VITURE公式ウェブサイト](https://store.viture.jp/products/viture-pro-xr-glasses)
2. [Meta Quest 2製品ページ](https://www.meta.com/quest/products/quest-2/)
3. [Meta Quest 3製品ページ](https://www.meta.com/quest/products/quest-3/)