「今日、何を食べたいか」よりも、「今日、どこにいて、誰と、何をしたあとか」。和菓子の選び方はそこにある気がする。東京の銘菓はとくに、その場所と時間と離しがたく結びついている。
## 今すぐ食べる
買って、歩いて、近くのベンチか、その店の袋を手に持ったまま路地で食べる。それでいい。そのために存在している菓子。
1. [[群林堂]] — 護国寺。豆と塩の存在感。
2. [[羽二重団子]] — 日暮里。餡と焼、当日限りの団子を店で食べる。
3. [[長命寺桜もち]] — 向島。隅田川のそばで、江戸の桜餅を食べる。
迷ったらこちらも — 同じ即食べ文脈の次点: [[亀十]](浅草)、[[瑞穂]](原宿)、[[松島屋]](泉岳寺)、[[うさぎや]](上野)、[[一幸庵]](茗荷谷)、[[言問団子]](向島)、[[高木屋老舗]](柴又)、[[赤坂青野]](赤坂)
土日どちらかで動きたい日は、[[羽二重団子]]、[[長命寺桜もち]]、[[言問団子]]、[[高木屋老舗]]が使いやすい。平日の名店だけでは旅程が組みにくいとき、こういう老舗があると助かる。
## 店で食べる体験
「どこかで座って、甘いものを食べよう」という日の選択肢。菓子の味だけでなく、空間と時間を買う。
1. [[梅園]] — 浅草で170年続くあわぜんざい。湯気の前でしか食べられない。
2. [[舟和]] — 浅草本店2階・3階の喫茶室。みつ豆ホール発祥の地。
3. [[HIGASHIYA]] — 銀座一丁目。現代東京の和菓子を茶房で体験する。
迷ったらこちらも — 喫茶よりも「江戸菓子を店頭で買う」体験として: [[榮太樓總本鋪]](日本橋、現在は仮店舗)。散歩の途中で腰を下ろすなら、[[羽二重団子]](日暮里)、[[長命寺桜もち]](向島)、[[言問団子]](向島)、[[高木屋老舗]](柴又)もいい。
## ちゃんとした手土産
「受け取った人が、嬉しくなるもの」を渡したい日。東京でしか買えること、物語が語れること、が自分の中の基準になっている。
1. [[空也]] — 銀座。予約して、取りに行って、渡す。その段取りごと贈り物になる最中。
2. [[銀座菊廼舎]] — 銀座。缶を開けた瞬間に喜ばれる冨貴寄。
3. [[HIGASHIYA]] — 銀座一丁目。現代の贈答品として完成している。
迷ったらこちらも — 老舗の風格は一級品、ただしアクセスや開店日に制約あり: [[一元屋]](江戸川区中央・移転済)、[[日本橋長門]]、[[清寿軒]](平日のみ)。赤坂で土曜に買うなら[[赤坂青野]]も使いやすい。
## 江戸・東京感
「東京らしい菓子」を贈りたいとき、一番頼りになるのは歴史の重さ。
- [[空也]] — 明治17年、文豪と歌舞伎役者の銀座
- [[一元屋]] — 明治40年、官公庁の手土産
- [[榮太樓總本鋪]] — 文政元年、日本橋魚河岸の屋台から
- [[日本橋長門]] — 享保元年、徳川吉宗の時代から
- [[梅園]] — 安政元年、浅草寺別院の茶屋
- [[舟和]] — 明治35年、庶民のための芋ようかん
- [[銀座菊廼舎]] — 明治23年、歌舞伎座そばの菓子屋
- [[羽二重団子]] — 文政2年、漱石と子規の日暮里
- [[長命寺桜もち]] — 享保2年、隅田川土手から始まる桜もち
- [[言問団子]] — 江戸末期、在原業平の歌と向島
- [[高木屋老舗]] — 柴又帝釈天参道と寅さんの町
## 関連
- [[00_入口]]
- [[02_候補一覧]]
- [[03_評価軸-東京で食べる理由]]